玄関ドア
玄関ドアはアルミ製や木製など素材の種類に応じて下地処理や塗料選択を分けて塗り替えます。特に劣化の目だちやすい木製ドアは、色あせや塗膜のはがれが進行しますと工程数が増えてしまうため、日数(工期)や費用がかさんでしまいます。
木製玄関ドアの仕上げ方法は、大きく分けて「エナメル仕上げ」「家具調仕上げ」「浸透性塗料での着色仕上げ」に分類されます。工法も刷毛塗りやスプレーガンによるもの、それらを併用する工法などさまざまです。
特に家具調仕上げで長い間美観を保持するためには定期的なメンテナンスが大切です。また木製建具の場合には、経年後の塗膜の状態により塗り替え周期をこまめに設定する必要がみられます。
雨とい
雨といは硬質塩ビや古い型ではブリキで作られています。家屋を塗り替える時には美観だけではなく、ちょっとした補修作業で機能性を復元できます。軒といの勾配調整なども塗替え時に点検されると良いでしょう。
特にとい受け金具の錆やジョイント部分の隙間などがポイント。積雪により全体的に雨といの勾配に不具合がみられる場合には、支持金物と一緒に雨といの交換も考慮しましょう。雨といのつまりを防止するために「枯葉止めネット」などを設けるのも効果的。
配色に関しては、軒といは雨スジ汚れが付きやすく塗料の選択には注意が必要です。白系の雨といの塗替えでは「防汚性」に優れた塗料がおすすめです。
長毛のローラーで塗られた雨といは美観を損ねますので、丁寧に刷毛で塗られることが大切です。廉価な白系塗料での軒といの塗替えは早期に汚れやすい現象もみられます。
破風
破風は木製やケイカル版・板金などの素材でできています。風が直接に当たる部分ですので劣化の進みやすく、特に木製の場合には塗替え周期をこまめに設定すると良い部分です。ケイカル板の場合にはコーキングの断裂なども発見されやすい部分です。
木製の破風の場合には古い塗料をできるだけはがしてから再塗装を施すのが理想です。下地処理に多くの手間が掛かる部分です。劣化が進行した時には板金で包むメンテナンスのほうが有効です。
鼻隠し
軒といの付いている帯の部分を「鼻隠し」と呼びます。軒といの支持金物が錆びていると雨といの勾配にも影響します。日の当たり具合により同じ家でも方位により劣化程度に大きな違いが見られます。塗りにくい場合には一時的に軒といをはずして作業します。
一般的には雨といと同じ色で塗りますが、配色を考えて軒といと異なる色で装う例も見られます。破風と同様に劣化が激しい場合には板金工事となる場合もあります。
胴差し(付け梁)
外壁の中間くらいの位置に付いている帯です。デザインや素材はさまざまですが、配色の決め手となる部分でもあります。上部についている水切り板金の雨仕舞いやコーキングの劣化の程度などにより状態に変化が見られる部分です。
ジョイント部分や出隅部分からの素材自体への雨水の浸入にも注意が必要です。劣化が進んで形状に変化が見られる場合にはパテによる成形や部分交換が必要です。下地処理としてはビスや釘のゆるみなどを点検します。
軒天
一般的には白系(または淡彩色)の塗料で塗られます。配色によっては濃色も素敵な部位です。外壁色との組み合わせにより、軒天の色をアクセントカラーとして目立たせる配色手法も見られます。
軒下換気口(または換気のための有孔ボード)がある場合には屋根裏の汚れた空気の排出により汚染されがちです。塗料選択には注意が必要です。
「低帯電性」「密着性」「通気性」などを考慮して塗料の選択をします。既存の塗替え仕様によっては密着性に不具合が生じて広範囲にわたり、ハガレが生じやすい部分でもあります。
各メーカーから軒天用には定番塗料がみられます。日の当たる場所ではないため特に優れた耐候性は求められない部分です。ツヤ無しのフラットなイメージが主流となります。
木製ひさし
和風玄関の木製庇は、天井・垂木・桁(けた)・柱などの部材で構成されています。特に劣化の目だちやすい木質材は、色あせや塗膜のはがれが進行します。
木質材の仕上げ方法は、大きく分けて「エナメル仕上げ」「透明仕上げ」「浸透性塗料での着色仕上げ」に分類されます。工法も刷毛塗りやスプレーガンによるもの、それらを併用する工法などさまざまです。
特に透明仕上げで美観を保持するためには、メンテナンスが必須です。
木質材の場合には、経年後の塗膜の状態により塗り替え周期をこまめに設定する必要がみられます。特に外部のピーリング(化粧プリント合板)には最大限のメンテナンスが必要です。